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# 1

それでも100回は観ました。

ache まずは村瀬さんと『キングコング』との出会いなどを。

 

村瀬 そうですね~「シャーロック・ホームズ」を読み漁りコナン・ドイル繋がりで「ロスト・ワールド 失われた世界」へ。映画があるらしいと聞いても、無声映画でテレビ放送もしないし・・・。恐竜図鑑とかでお茶を濁してた頃、その特撮をしてるのと同じ人の映画だと教えてもらったのが『キングコング』でした。
 

ache 僕はギラーミン版をTVで観たのが初めてでしたね。幼い頃、1933年版はストップモーションの元祖みたいなクラシック映画としては知っていたのですが。実はピーター・ジャクソン版以外は全部TV放送が初見で。村瀬さんは映画館で?

村瀬 9才くらいの頃、リバイバルで1933年版が映画館で上映されたんですよ。恐竜目当てだったのにコングとフェイ・レイに夢中になりました。初恋と断言出来ます。後年ギラーミン版も初日にワクワクして映画館に行ったけど33年版の方が面白かったんです。なんと祖父が、当時高かった33年版コングの8mmフィルムを買ってくれまして、毎日家で観れるのがどんなに幸せだったか。映写機は中古で、すぐ壊れちゃったんですが、それでも100回は観ました・・・。あっ!だから壊れちゃったんですね(笑)。


ache な、何と羨ましい子供時代!!映画好きにはたまらない家庭環境じゃないですか!僕の幼少の頃のコングに関する記憶は、ギラーミン版コングが手の平にのせたジェシカ・ラングの濡れた身体を「ふぅ~」って乾かすシーン。生意気にもエロスってやつを感じてしまい(笑)。

村瀬 僕もジェシカ・ラングには金髪グラマーピンナップガールってやつで、早い思春期を大きく刺激されましたよ(笑)。リック・ベイカーも素晴らしい仕事でした。おかげで33年版の資料とか物も手に入りやすい環境になったんですよ。ウィリス・H・オブライエンと造形担当のマーセル・デルガドに憧れて絵を描いたり粘土をこねたり・・・。その時は、将来モデルアニメーションの世界へ行くと決めてました。オブライエンを目指す者としてはハリーハウゼン、ジム・ダンフォース、デビッド・アレンはライバルと勝手に思ってましたし(笑)。職人の手作りミニチュアが命を持って人間を襲ったり恋したりってとにかく魅力だったんです。化石になった恐竜だって金属と生ゴムで生き返るんですから。

 

 

 

村瀬克輝(ムラセ カツキ)

 

映画の予告編・CM等のナレーター、イベントプロデュースから司会まで、近年では声優としても幅広く活動。
収集家でもあり、そのコレクションは幅広い。

 

 

ache(アッシュ)

 

BLOG『エルドリッチの館』管理人

WARNING

村瀬氏ご本人から承認を得ての掲載です。内容の無断転用等はお断りいたします。

katsuki murase

COLLECTION # 1

画像をクリックすると拡大します。

職人魂にまた火をつけたんですよ(笑)。

ache 特撮好きには思わずニヤリとしてしまう職人達の名前がズラリと。卓越した技術とセンスによって生まれたキャラクター達は、何とも言えない魅力がありますよね。「神になれる、ヤバイ・・・」って、そう思っていた職人達もいたんじゃないかなって。そう言えば、SIDESHOW製の『1933年版キング・コング ストップモーションアーマチュア』レプリカを基にして、村瀬さんご自身でコングを復元したとのこと。そちらについて色々とお話を聞きたいのですが。

村瀬 結局2体復元しちゃいましたねぇ(笑)。はじめに作ったのがリアル路線だったので、もう1体怪獣っぽく少しデフォルメしたものも復元したかったんです。いわゆるモスゴジって感じの顔を意識したような。実際のコングは四体あったそうで、それぞれ顔が違うんですよ。リアル路線で作ったのは全部のタイプの良いとこ取りですね。レプリカのアーマチュアを持ってる方々にしか解らない話しですみませんが、眉間とか色々穴が空いてまして表情をつける部分も再現しました。

 

ache 本当に贅沢と言うか、コング好きには究極のカスタムですよね。

 

村瀬 アーマチュアのままディスプレイするのは絶対とっておきたかったので、計3体所有していることになります。贅沢ですよね(苦笑)。でももう一つ復元したいから探してますよ(笑)。

 

ache はい、それは難しいかと(笑)。でも情報があればすぐご連絡しますよ。そもそも復元しようと思ったきっかけというのは?。

村瀬 当時、ジム・ダンフォースとデビット・アレンが、自主製作映画のクオリティを上げる為に引退した職人のデルガドを探し出し、アーマチュアをなけなしのお金で買い取って、写真もその時、初めて公開されたんです。これがボブ・バーンズの手に渡り、それを基にしてレプリカが発売されたわけですが、実際、色々な角度から見て触って、そうだったのか~って感動が職人魂にまた火をつけたんですよ(笑)。

 

ache アーマチュアのレプリカは僕も所有してますが、本当に「コングの魂」を感じますよね。骨格だけなのに変にオーラを放っていて。『SW』のヨーダがCGではなくマペットだった頃の様で。本物には及ばない点は当然あるとは思いますが、特撮映画の歴史において記念碑的なレプリカ。職人魂に火をつけられたって話し、わかるなぁ。

 

村瀬 DVDの特典で、ピーター・ジャクソンとWETAが当時のアーマチュアを一から再現してる映像を見たのも刺激になりました。是非1秒24コマで撮影してみようかなとも思ってます。もちろんセピアカラーで。あ~、でもそれにはジャングルのセットとかも作るって事になっちゃいますから壮大ですね~(笑)。
 

ache うわっ!それ凄く興味ある!いやいや村瀬さんなら仕事早いし実現可能ですよ。もし実現したら映像編集とか是非お手伝いさせて下さい。正直、復元するって聞いた時は、失礼ながらそれほど期待してなかったんですよ(笑)。アーマチュアを本当に肉付けできるのかって。それは単にコチラが無知だっただけで、完成した画像を見せられた時は、何とも言えない感動がありましたね。えぇ~!あの骨格がここまで!?って。

 

村瀬 実は渡米の際、生前のデビット・アレンに会えて仕事も見れたんです。フォルクス・ワーゲン社のCM用に再現したコングが欲しくて欲しくて!。一番コングを仕事で再現したのはアレンじゃないですかね?。その内の一つでも手に入ったらと思ってます。出来れば1933年に使用された物もなんて、あまりに夢な話しではなく。もちろん私なんかよりコングを愛してるって人は沢山いると思うんですが、所有する資格がある一人と思ってはいるんですよ。って、ファンなら皆そう思ってるから値が上がっちゃうんでしょうけどね(笑)。

katsuki murase

COLLECTION #2

各写真をマウスで触ってみてください。

重なりを変えたり、自由に回転したり、クリックすると拡大します。

デビットアレンが手掛けたフォルクス・ワーゲン社のCM

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